九州病害虫研究会報
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斑点米の原因となるミナミアオカメムシに対する各種殺虫剤の効果
杉村 和実松井 有野中 耕次田村 逸美
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2007 年 53 巻 p. 39-44

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抄録

ミナミアオカメムシに対する6薬剤の防除効果について室内で調査した。ベルジャーダスターを用いてDL粉剤を成虫に散布したところ,有機リン系のMPPとMEP粉剤の殺虫効果が高く,エトフェンプロックス粉剤は殺虫効果がやや低かったが,即効的であった。ネオニコチノイド系のジノテフランとクロチアニジン粉剤は即効的で,高いノックダウン効果が認められた。同一成分の液剤について虫体浸漬法により調査した結果も同様であり,上述の結果は各種薬剤の有効成分による直接的な殺虫効果と判断された。また,散布した後に飛来する成虫を想定し,ベルジャーダスターでDL粉剤を予め稲穂に散布し,その後ミナミアオカメムシを放虫して,以後の死虫率や吸汁行動を調査した。その結果,ネオニコチノイド系2剤は散布1日後の稲穂を成虫に供餌しても籾上の口針鞘は極めて少なく,吸汁を抑制する効果が高い可能性が示唆された。

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