抄録
カンキツグリーニング病の媒介昆虫ミカンキジラミDiaphorina citriに対する浸透移行性殺虫剤の高濃度液の樹幹散布効果を検討した。供試薬剤はチアメトキサム10%顆粒水溶剤とジノテフラン20%顆粒水溶剤で,2006年8月10日に両薬剤の10倍液10mlをカンキツ苗樹幹に散布した。鉢植えシーカーシャーの新芽に袋掛けを行いミカンキジラミ成虫10頭を放飼し,放飼後1日目にシーカーシャー上に留まる成虫数を,7日目に死亡数と産卵の有無を調査した。調査後袋内の虫は全て回収し,新たに成虫10頭を入れた。1週間ごとの平均死亡虫数はチアメトキサムで8.0頭,ジノテフランでは4.5頭で無処理の1.1頭より有意に多かった。残効はチアメトキサム区が処理後23週まで,ジノテフランは8週目まで認められた。産卵は両薬剤処理区とも処理22週まで認められなかった。シーカーシャー苗への両剤の高濃度液樹幹散布は長期間にわたる本種の発生抑制に有効であると考えられた。