農業農村工学会論文集
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研究論文
地すべり再発防止工事における二酸化炭素排出量
― 沖縄,安里地すべりの事例調査 ―
木村 匠中村 真也
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2014 年 82 巻 2 号 p. 73-80

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抄録
沖縄,島尻層群泥岩分布地域で発生した安里地すべりの再発防止工事について,二酸化炭素排出量原単位を活用して二酸化炭素排出量を算出し,地すべり再発防止工事における排出量の状況を明らかにした.建設機械運転,建設機械製造および資材製造過程におけるそれぞれの二酸化炭素排出量は,資材製造が全排出量の約65%と最も高く,その中ではポルトランドセメントおよび高炉製熱間圧延鋼が90%以上を占めた.機械運転による排出量の中では,バックホウ,ダンプトラックおよび空気圧縮機の合計が約65%であった.工法別の排出量では,法面工が50%以上を占め,杭工,土工が続いた.本研究で資材製造に関する二酸化炭素排出量が多いという結果が得られたことから,地すべり再発防止工事における二酸化炭素排出量削減を考える場合,まずは資材量減に活路を見出せる可能性がある.
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© 2014 公益社団法人 農業農村工学会
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