九州理学療法士学術大会誌
Online ISSN : 2434-3889
九州理学療法士学術大会2024
セッションID: P1-2
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セッションポスター1 教育・管理運営
P1-2 当院におけるセラピストレジデント制度の概要について
岡田 大輔山田 浩二
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抄録

【はじめに】 近年、リハビリテーション専門職の卒後研修制度としてレジデント制度を導入する病院が増加している。当院では、高度急性期のリハビリテーションを担う人材を育成することを目的に、2019年度より導入している。今回、導入の経緯から現在までの取り組みについて報告する。 【導入の経緯・目的】 リハビリテーションを必要とする患者の増加に対応し、高度急性期病院での臨床経験と教育の機会を提供するため、2019年にレジデント制度を立案した。 【当院のレジデント制度の特徴と取組み】 PT27名、OT10名、ST7名が在籍し、救急・集中治療を担当するチームと、5つの疾患別チーム (運動器・脳血管・心臓・呼吸器・廃用症候群)に分かれている。リハビリテーション依頼の約4割が救急・集中治療部門で出されているため、初年度は救急・集中治療を担当するチームに所属し、研修を行うことを基本としている。一方で、既卒生や大学院に通っている方など、専門性を高めたい場合は、希望に合わせて領域を選択することが可能である。PTだけでなく、OT・STもレジデントとして入職可能であり、研修期間は最長2年間としている。年間約8,000例の豊富な症例を経験することが可能で、経験年数10年以上のスタッフが約7割在籍しており、日常的に相談しやすい環境が整備されている。また、自己研鑽のための費用についても公費負担となっている。 【結果】 現在までに、PT6名、OT1名、ST2名を受け入れた。大学院生が3名であり、新卒者が6名であった。 【考察と課題】 レジデント制度は診療報酬改定への対策や、卒後教育の充実という点において有効な制度だと思われる。特に、新人理学療法士が多疾患併存な複雑な症例に対して自立して臨床実践を行うためには、豊富な疾患を経験できる急性期病院に導入することが必要と考える。しかし、採用条件や教育プログラムがレジデント施設によって異なっているのが現状であり、導入施設をさらに増やしていくためにはこれらの整備が必要だと考える。 【倫理的配慮】本報告は当院での取り組みを整理したものであり、倫理審査は不要である.

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© 公益社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会
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