抄録
維持期リハに位置づけされる通所リハビリテーションの提供において、今年度より「個別リハ加算」が新設され、在宅復帰を果たした要介護者に対する個別リハが評価された形となっている。当院において平成12年度のリハ提供体制は1名の利用者に対し複数のPTが関わるというもので、機能面の評価はその時点その時点の「点」の評価が行なわれ、継続的な「線」の評価が失われていた。一方で、平成14年度からは4名のPTを通所リハに配置し、1日を通してリハを受けられる体制作りを行い、担当制とした。両時期を比較しても、要介護者が通所リハを利用するにあたり、保険請求上の変化はない。維持期リハと呼ばれる通所リハのリハ提供体制を変化させたのみである。個別リハ加算として新設されたが、同時間20分のリハ実施で医療のそれと比較すると1/2の点数にも満たない。今回、入院時に身体機能、病院環境でのADLが自立した症例が在宅復帰後に生活環境下での継続したリハが実施されなかった事で、能力低下を引き起こした症例を体験した。在宅復帰後の「生活自立」までをクリティカルパスに捉え個別リハに取り組むべきであることを感じた。