主催: 社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会, 社団法人 日本作業療法士協会 九州各県士会
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回復期リハ病棟は自宅復帰促進を掲げている。しかし単なる自宅復帰のみで外出等の屋外活動が制限されればその活動範囲は限定され廃用症候群の予防は図られにくい。そこで今回、当院回復期リハ病棟より自宅復帰に至った患者を対象に屋外活動に影響を与える要因について検討した。介護者の要因としては、家族指導の不足による患者の屋外歩行能力等に関する認識不足とその事から生じる過介護。また周囲環境からもたらされる患者・家族の転倒に対する恐怖心・不安感等の心理的要因が屋外活動制限に影響を及ぼしている可能性も示唆された。屋外歩行訓練ではその訓練内容が重要であり、いかに実用的な歩行訓練プログラムを提供できるかによっても屋外活動が左右されると推察された。今後は過介護の予防と屋外活動への不安感に代表される心理的要因を軽減する目的においても家族教育の充実を図り、在宅の周囲環境を想定した実用的な屋外歩行訓練プログラムの強化が重要課題であり、この課題を克復し社会的活動範囲の拡大を促進していく事が廃用症候群の予防となり、患者のQOL向上へと繋がっていくものと期待する。