九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第25回九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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半月板損傷における鏡視下手術前の大腿周径について
*田中 真一吉村 修原 順子富澤 彰夫児嶋 由佳元村 博美藤本 剛村田 伸MD 江本 玄
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p. 91

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抄録

今回、半月板損傷に対して膝関節鏡視下手術Arthroscopic surgery(以下AS)にて半月板部分切除術を施行した100膝の手術前の大腿周径を測定し、筋萎縮の程度を検討した。対象は平成14年1月以降に半月板損傷に対してAS施行した100例100膝(男性48膝・女性52膝)である。受傷からASまでの平均期間は不明3膝を除いて27日だった。対象年齢は11才から88才(平均年齢51.31才)である。方法は膝蓋骨上縁5cm部位・10cm部位の周径をメジャーで両側測定し左右差を出し、それぞれの平均周径値を、A群(10代・20代16膝、平均年齢15.9才)、B群(30・40代26膝、平均年齢42.92才)、C群(50・60代40膝、平均年齢60.72才)、D群(70・80代18膝、平均年齢73.94才)の4群をそれぞれ一元配置分散分析にて検討した。結果は5cm部位では各群有意差は認めなかった。10cm部位ではC群に対してA群・D群は有意に平均周径値に差があった(それぞれP<0.05、P<0.01)。10cm部位では内側広筋の割合が多く、早期から筋萎縮が起こると考えられる。膝安定性機構の低下を予防するために大腿四頭筋、特に内側広筋へのアプローチは手術前より行う必要がある。

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© 2003 九州理学療法士・作業療法士合同学会
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