抄録
【はじめに】
平成18年度の診療報酬改定により回復期リハビリテーション病棟(以下回復期リハ病棟と略)への転院の条件は発症または受傷後3ヶ月以内から2ヶ月以内と短縮されている。そして急性期の一般病棟から回復期リハ病棟への転院は今までより早期に判断が必要となる。そこで当院の転院判断基準を改めて見直し考察を加え検討する。
【方法】
過去一年間による当院から回復期病棟へ平成17年1月から12月までの転院数を調査し、更に月別・年齢別に分別した。加えて当院PT、OT、STの考えをピックアップしてまとめる。
【結果】
リハビリテーション(以下リハと略)実施数は550名であった。そのうち回復期への転院数は105名であった。月別に転院数を言うと1月は6名。2月は8名。3月は9名。4月は9名。5月は6名。6月は10名。7月は11名。8月は4名。9月は6名。10月は7名。11月は14名。12月は13名であった。年齢別に転院数を言うと30代は1名。40代は4名。50代は9名。60代は10名。70代は52名。80代は24名。90代は4名であった。
【考察】
当院は8万人程度の人口を有する鹿児島県の大隅半島の中核的な鹿屋市で脳神経外科急性期病院として、以前より回復期や維持期の病院、また療養型の施設などと地域連携している。そしてリスク管理を行いながらリハを実施し、発症より早期の段階での予後予測を立て、在宅復帰・職業復帰を目指している。高齢化社会といわれている現在において急性期病院でのリハの仕上げというのは非常に難しい。そこで当院では週一回決まった日に回復期病棟よりリハ専門医師が来られ、診断・家族との面談を行い在宅復帰・職業復帰を目指している。(一回につき4名から5名であり、1人あたり20分程度。)転院されている患者様を月別・年齢別に分けると脳卒中ハイシーズンといわれている冬場が多く、年齢ではやはり70代以降が比較的多い。入院患者様一人一人が在宅復帰、職業復帰を目指せるよう当院では回復期リハ病棟への判断基準の見直しとして以下のような事項を考えた。在宅への復帰を目指した方で、家族の理解がえられる方、急性期治療が終了した方、2ヶ月以内の自立が難しい方で予後が長期となる方、高次脳機能障害のある方、職業復帰を目指す方、在宅復帰へ目指した方の仕上げそしてキーパーソンとなる家族の住んでいる地域などである。今回、当院の一年間の回復期リハ病棟への転院数とそれに伴う判断基準を報告した。これから考えていくべきことはたくさんあるが、患者様一人一人が在宅・職業復帰できるよう地域との連携を大切にしたい。
【まとめ】
1当院から回復期リハ病棟への転院数は105名であった。2当院の判断基準。在宅への復帰を目指した方で、家族の理解がえられる方。急性期治療が終了した方。2ヶ月以内の自立が難しい方で予後が長期となる方。高次脳機能障害のある方。職業復帰を目指す方。在宅復帰へ目指した方。