先行研究で頭頸部癌再建手術症例に対する高齢者機能評価(geriatric assessment : GA)の有用性について検討し,GAは非自宅退院に関連があり,必要な介入も明らかになった.本検討では喉頭下咽頭癌再建手術症例のうち咽喉頭全摘,再建(total pharyngolaryngectomy and reconstruction : TPL)症例の合併症,非自宅退院とGAの関連を確認し,必要なマネジメントを検討した.
対象は2019年9月から2023年3月までにGAをおこなった喉頭・下咽頭癌患者のうちTPLをおこなった49例とした.対照群として非喉頭摘出の再建手術群82例を設定し,GAとの関連を後ろ向きに解析した.
TPLの合併症は7例(14%)で発生し,Charlson Comorbidity Index(CCI)と関連をみとめた(p=0.03).非自宅退院は2例(4%)のみのため,解析は行わなかった.対照群では合併症は30例(36%)で発生し,認知症と関連を認めた(p=0.04).非自宅退院は5例(6%)で認め,関連はなかった.
TPLは対照群と比較すると合併症発生率が低く,術後経過が安定しており高齢者でも管理しやすいと考えられる.ただし,CCI陽性症例は合併症の発症率が高く,手術前に意思決定支援を行い,合併症についての理解を得ることが必要と考えられた.
今後,本研究の結果をカンファレンスに反映させて介入を行っていく予定である.