消費者の環境配慮行動と生活上の価値観の対応関係を検討した。全国の成人男女を対象に Webアンケートを実施したところ、環境配慮行動は2種類に分類することができた。それは、環境への影響について判断を要する「意識型」と、環境以外の実利を伴う「節約型」であった。回答者を行動の実施の違いにより4つのクラスタに分けることができた。生活上の価値観としては、「社会正義」、「自己合理」、「他者追従」の3つを抽出し、これらに基づき回答者を4つのクラスタに分類した。生活上の価値観と環境配慮行動の各クラスタ間の対応関係を分析したところ、「意識型」の行動を実践する傾向にあるクラスタでは、「社会正義」の価値観を重視する人々が多く、「節約型」の行動を実践するクラスタでは「自己合理」の価値観を重視する人々が多いこと、さらには「他者追従」の価値観を持つ層は中間的な行動をとることが示された。