日本LCA学会誌
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目次
巻頭言
特集「都市鉱山の利用促進技術」
解説
  • 武山 健太郎, 星野 岳穂
    2026 年22 巻3 号 p. 140-146
    発行日: 2026/07/25
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    鉄鋼材料やアルミニウム合金をはじめとする金属材料のリサイクルは温室効果ガスの排出量の削減だけでなく、天然資源の消費量の削減に寄与する。一方で、添加元素や不純物元素の存在がリサイクルの質的制約となることが指摘されている。本稿では、金属材料のリサイクルについて、スクラップの化学組成に着目し、金属材料リサイクルにおける質的制約について論じる。スクラップを原料とする材料製造はスクラップの化学組成のばらつきによって製造できる化学組成やその生産量が制約を受け、これに対応するために様々な技術が提案されている。一方で、リサイクル産業の持続可能性を確保するためには、経済性を考慮する必要がある。そのため、最適なリサイクルシステムの設計を実施するためには、スクラップの化学組成のばらつきの考慮だけでなく、経済性を考慮した分析が必要である。

  • 上田 高生, 古屋仲 茂樹
    2026 年22 巻3 号 p. 147-151
    発行日: 2026/07/25
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    近年廃棄量が増えている小型家電には、リチウムイオン電池(LIB)などの電池が内蔵されているものが多い。LIBには、リチウム、コバルト等の貴重な金属が含まれており、リサイクルすることが望ましい。製錬等により金属を回収する技術の開発は進んでいるが、ビジネスとして成立させるためには十分な量の確保が重要である。また、別の観点としては、近年問題となっているリサイクル施設におけるLIBに起因する火災を防止するため、電池を破砕せずに回収することが求められている。しかし、従来の手作業による対応では、処理量・精度に限界がある。これらの背景から、リサイクル施設において安全かつ効率的に電池を回収するため、廃小型家電に内蔵された電池の検出・分離・選別技術の開発に取り組んでいる。

  • 吉村 彰大
    2026 年22 巻3 号 p. 152-160
    発行日: 2026/07/25
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    近年の環境意識の高まりや資源セキュリティ上の懸念などから、金属の二次資源を有効活用する必要性が指摘されている。特に日本は、様々な製品を製造・利用してきたこともあり、天然資源には恵まれていない一方で社会中の蓄積量、すなわち「都市鉱山」は資源国に匹敵するとも言われ、積極的な活用が進められている。しかし、都市鉱山から採掘される「鉱石」は天然鉱石と異なる性質を持つ。そのため、特に化学的に処理する場合の挙動や最終製品の性能に大きな差がでる場合もあり、これらが制約となり資源として十分活用できていない部分もある。本論文では、現在行われている都市鉱山の活用状況について、代表的な金属に関して概観し、またその課題も含めて検討する。さらに、現在進められている新しい手法の開発について、著者の専門である貴金属に焦点をあてて解説する。

  • 樹 世中
    2026 年22 巻3 号 p. 161-167
    発行日: 2026/07/25
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    本稿は、サーキュラーエコノミー(CE)実現に向けた情報連携基盤の役割について、デジタルプロダクトパスポート(DPP)を中心に整理・考察するものである。欧州における政策・規制動向を概観した上で、日本および欧州の実証事例をもとに、データ利活用の具体的ユースケースを分析した。その結果、製品の排出・回収段階における「特定物(情物一致)」の確保が、循環プロセスの効率化および再生材の信頼性向上において重要な役割を果たすことを示している。また、動脈・静脈サプライチェーンの統合により、製品ライフサイクル全体での最適化が可能となることを明らかにしている。さらに、情報連携基盤は、循環ビジネスの成立およびデータ認証の高度化に寄与する一方で、データ主権や事業者負担といった課題も内在する。これらを踏まえ、今後の実装に向けた方向性を提示する。

一般投稿
研究資料
  • 髙橋 玲子, 野田 英樹, 野々村 善雄, 田中 繁之, 栗山 浩一
    2026 年22 巻3 号 p. 168-181
    発行日: 2026/07/25
    公開日: 2026/08/05
    ジャーナル フリー

    停電時の電気機器の機能維持は喫緊の課題である。本稿では、日本電機工業会の「電気機器向け費用便益分析ガイダンス(JEMAガイダンス)」をふまえ、同ガイダンスに記載のない、電気機器の機能停止と損害の因果関係および条件を設定することで、自然災害停電に起因する電気機器の機能停止に伴う損害額の算定プロセスを検討した。このプロセスに基づき、統計データを用いて評価条件を設定し、工場、学校、病院等における空調・冷凍機能停止に起因する損害について、発生後数時間の効率低下および体調不良による人的損害額、品質劣化による物的損害額、さらに供給不能電力量あたりの損害額(円/kWh)を試算した。試算結果から、損害の対象や種類に応じた損害額の発生タイミングおよび規模感を把握するとともに、プロセスの検証を通して損害額算定における課題を抽出し、今後の改善方策を考察した。

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