日本LCA学会誌
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解説
海外インベントリデータベースの理解へ向けて
正畠 宏一
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2023 年 19 巻 4 号 p. 245-252

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抄録

日本には高品質な国産のインベントリデータベースが存在するが、欧米を中心とする様々な LCA に関する規格化の進行とともに、海外インベントリデータベースへの需要も増している。海外インベントリデータベースの違いや特徴を理解するにあたっての主な分類軸としては、対象産業と粒度、バウンダリ、提供データセットの種類、プロセス間の連関、フォーマット・ソフトウエアへの対応、影響領域・影響評価手法への対応、規格等への準拠、更新頻度、含まれるデータセットの品質、といった軸があげられる。海外インベントリデータベースの利用には、それらを実装した LCA ソフトウェアが使用されることが多いが、これらの LCA ソフトウェアは、これまで開発されてきた複数のインベントリデータベースと影響評価手法を統合し、様々な組合せで算定が行えるように実装が行われている。一方で、それぞれのインベントリデータベースは異なる生データを使用し、異なる背景や目的に対応して、開発がなされてきており、お互いに一貫性や相互互換性が保証されているわけではない。GLAD のような国際協調の枠組みでインベントリデータベース間の相互互換性の向上を目的とした活動は行われているが、その確立にはまだ時間を要すると思われる。

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