2026 年 22 巻 2 号 p. 122-127
国産のグリーン水素製造技術として、我々のグループで取り組んでいるナトリウムレドックス反応に着目した熱化学水素製造反応について紹介する。ナトリウムレドックス反応は金属分離反応(熱還元反応)、加水分解による酸素生成反応、分離された金属ナトリウムと加水分解後に得られた水酸化ナトリウムの反応による水素生成反応の組み合わせで表される。これらの中で、最も高温を必要とする金属分離反応では400℃程度の熱が必要であるが、反応後の熱をカスケード利用可能であるため、原理的には反応のために投入した熱の50%以上の効率で水素を製造することが期待できる。グリーンな水素製造法としては、再エネ電力の電解水素、光触媒、核熱を利用した熱化学水素製造などが想定されている。これに対して、本稿で紹介する熱化学水素製造は、比較的アクセスしやすい様々な排熱や、蓄熱材料と組み合わせることで、反応システムを連続的に制御可能となる。これにより、大量かつ低コストな国産水素製造技術となることが期待される。