2024 年 8 巻 p. 30-35
近年、質量分析計を始めとする検出器の感度向上が著しく、より低濃度領域での分析が可能と成っている為、装置や器具へのサンプル吸着が分析結果に及ぼす影響は相対的に増大している。吸着原理は幾つか有るが、ガラスバイアルを使用した場合には、最も発生し易いのはバイアル表面のシラノール基と塩基性化合物の相互作用である。ガラス表面にシラノール基が存在する事は良く知られているが、それには金属イオンが関係していると考えられる。
我々はナトリウム(Na)の溶出量の少ないバイアル“Shim-vial”を開発し、Na の溶出量や塩基性化合物の吸着に関して、既存バイアルと比較を行った。その結果、特殊な処理を行ったShim-vial は、既存バイアルと比較してNa の溶出量が少ない事が確認された。又、Naの溶出量が多いバイアルほど塩基性化合物の吸着が増大する事も確認され、金属イオンの存在が塩基性化合物の吸着に関与している事が示された。