2024 年 8 巻 p. 7-17
SUMICHIRAL®は、株式会社住化分析センターが販売しているキラル固定相の商標名で、1970 年代に GC 用キラル固定相として販売を開始した。1980 年代に入ると、研究開発の中心は GC から HPLC に移行し、Pirkle 形や配位子交換形など、主に低分子系キラルセレクターを用いたキラル固定相を開発した。そのうち、SUMICHIRAL® OA-2000 は、Pirkle 形キラル固定相の原形で、ピレスロイド系殺虫剤の異性体分離に利用されている。又、配位子交換形の SUMICHIRAL® OA-5000 は、乳酸や多くのアミノ酸を誘導体化せずに直接キラル分離する事が出来る非常に汎用性の高いキラル固定相である。その後、1990 年代から2000 年代にかけて、ホストゲスト形キラル固定相の研究開発を行い、β-シクロデキストリン誘導体を用いた SUMICHIRAL® OA-7000 やキラル擬 18-クラウン-6-エーテル誘導体を用いた SUMICHIRAL® OA-8000 などを製品化した。更に、β-シクロデキストリンの水酸基をアセチル化した SUMICHIRAL® OA-7700 が、多くの芳香族キラルアミンに対して優れたエナンチオ分離能を有する事を示した。キラル固定相の分離メカニズムに関して理論的な考察を行い、それらの知見を基に、分離対象と成るキラル分析種の官能基に注目したキラル固定相の選択法を提示した。開発したキラル固定相の多くを製品化し販売しており、医薬品や生理活性物質などのキラル分離分析に有効利用される事を期待している。