1961 年 12 巻 2 号 p. 30-31
ここに取り扱ったAcr. delta MORIUTIミズキボウシコガ(新称)は中村慎吾氏に同定を依頼されたもので同氏が広島県比婆郡高野でミズキボウシの朔果内の種子を食していた幼虫を採集,羽化した材料に基づく.本種はョー口ッパ大陸に分布するAcr. assectella ZELLER(寄主植物はAllliumネギ属)に酷似するが,後脚脛節の中距の位殿,前翅斑紋,交尾器等の差異は明らかであり,1♀ではあるが新種と認められるので記載した.我国には本新種に似るのが若干あるが,それらはいずれも小さく,且つ色彩,斑紋,交尾器等から識別は容易である.