蝶と蛾
Online ISSN : 1880-8077
Print ISSN : 0024-0974
沖縄島産ヒメジャノメの幼虫と蛹
高橋 真弓
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1975 年 26 巻 2 号 p. 74-76

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抄録
筆者(1974)はヒメジャノメMycalesis gotama Mooreの八重山群島(石垣島)産の亜種madjicosa Butlerと日本本土-屋久島の亜種fulginia Fruhstorferの幼虫のあいだにかなり大きな相違のみられることを報告したが,亜種madjicosaのなかでも,奄美大島-沖縄島のものと八重山群島のものとは,成虫の斑紋や色彩が明らかに異なっており,さらに幼生期の比較が今後の問題として残されていた.1973年11月2日,長嶺邦雄氏から沖縄島那覇市末吉産のヒメジャノメ20卵をお送りいただいたので,これらを飼育して幼虫・蛹の形態,色彩,および幼虫のスズメノカ夕ビラ Poa annua Linnaeus (イネ科)に対する噂好性などを比較したところ,日本本土-屋久島のものだけではなく,八重山群島のもとのあいだにもかなりの相違点を見いだすことができたのでここに報告する.なお,飼育した個体数はかならずしも十分とはいえないので,さらに多くの材料を用いて検討が進められることを期待する.
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© 1975 日本鱗翅学会
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