蝶と蛾
Online ISSN : 1880-8077
Print ISSN : 0024-0974
日本・韓国・台湾のアゲハモドキ属
井上 寛
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1978 年 29 巻 2 号 p. 69-75

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抄録

Okano[岡野磨瑳郎]は,台湾産のタイワンアゲハモドキの学名を論じ(1958,1964),学名はEpicopeia formosana Nagano, 1912(=E. hirayamai Matsumura, 1935)とすべきであるという結論に達し,さらに第3の論文(1973)では,E. formosanaのなかで,前後翅に白帯のあるのがf. formosana,白帯のないのがf. hirayamaiとした.また第3の論文では,E. hainesii Hollandアゲハモドキの台湾亜種matsumurai okanoを記載し,そのなかで,ジャコウアゲハの♀のように翅の白っぼい型をf. albaと名付けた.私は以前から,日本,朝鮮,台湾などに産するこの属の種や亜種に関心をもち,標本や文献を集めてきたし,British Museum (Natural History) (以下BMNHと略す)では,タイプ標本を含め,多数のシナ産の標本を検することができたので,Okanoがまったく言及していない文献や大陸の標本を含めて,2種の学名や地理的変異についての私見を述べることにした.

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© 1978 日本鱗翅学会
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