房総半島産ルーミスシジミを数段階の温度で飼育し,卵,幼虫,蛹の発育零点と有効積算温度を算出した.発育零点と有効積算温度は,卵では10.00 °Cと61.67日度,幼虫では10.64 °Cと256.87日度,蛹では11.32 °Cと162.61日度であった.これらのパラメータを用いて,奈良県春日山(絶滅個体群)と,房総半島(現存個体群)で,本種が多化性であったと仮定した場合の各世代の発育経過を推定した.その結果,1960年前後の春日山での発生回数は過去の記述と同じ年3回と推定され,世代経過も概ね過去の記載と一致した.房総半島では,1960年前後の気温下では年3回,2010年代の気温下では年4回の発生が可能であることが示された.房総半島などの現存個体群が年1化となっている要因について考察した.