LET関西支部研究集録
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研究ノート
The Challenges and Suitability of Task-based Language Teaching in Asian Contexts
Ayaka Hashinishi
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2013 年 14 巻 p. 101-110

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抄録

本論文では、現在までに行なわれたタスクを重視した言語教育 (TBLT) の研究を検討し、教育者と学習者が直面した課題、およびアジアにおけるTBLTの適応性と実現の可能性を議論する。また、香港、中華人民共和国、日本及び韓国の4つのアジア地域の小学校、中学校、高等学校と大学のTBLTの適合性についての12本の研究を考察する。

示唆されたTBLTの潜在的な問題は次のものだ。 従来の教育標準とTBLTとの矛盾、規模の大きいクラス、教育者のTBLTに対する教授知識および自信の欠如、文法重視の授業およびPPPアプローチの多用、学習者のコミュニケーション活動に対する抵抗および学習者の英語力の低さ、受験勉強に基づいた授業の多用等。

このような課題にもかかわらず、TBLTの成功例を見ると、アジアにおけるTBLTの更なる発展の可能性が示されている。本論文は、教育者および学習者の前向きな姿勢、学習者の動機づけとコミュニケーション力の改善等、TBLTの肯定的な効果を示す。

最後に、TBLTをアジアのEFL環境に適応させる必要性、教員教育プログラムの必要性および教室管理の方法を考える必要性が提案されている。これらの提案により、教育者がTBLTをより有効に実施し、TBLTの実用を促進することができると考えられる。

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© 2013 Kansai Chapter, Japan Association for Language Education and Technology
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