1992 年 1992 巻 1 号 p. 39-51
Backhaulを考慮した運搬経路問題とは1台の運搬車が配送と集積を同時に行うとき運搬車の容量を破らないような最短距離の巡回路を求める問題である。実用における重要性にも関わらず、この問題に対する従来の研究は非常に限られたものである。本研究の目的はこの問題の理論的な側面へ光を当てることにある。まず全ての顧客がユークリッド平面上に分布していると仮定した問題に対して、平面を分割することによるヒューリスティックを用いることによる漸近的な解析を行う。さらにBackhaulを考慮した運搬経路問題の確率的な変形に対して解析を行い、運搬経路長の期待値を導出するための公式を導く。