抄録
ロジスティクス組織の問題は、従来以下のような観点から議論されてきた。 (1) 集権化と分権化、 (2) ラインとスタッフ、 (3) マトリクス組織、 (4) 組織的位置付け、等。そして主たる関心は、最適なロジスティクス組織構造の適用にあった。
しかし、ロジスティクス組織は、事業環境の要請に適合するために変化するものである。本論文では、ロジスティクス組織の発展における3つの段階を提示した。さらに、わが国に於ける先端的企業の事例を通じて、以下の知見が得られた。
(1) ロジスティクス組織は、経営環境の要求に適合するため、しばしば再編されている。
(2) 情報ネットワークシステムの発達やビジネス・プロセスの再編成はロジスティクス組織の構造を変える。
ロジスティクス組織は、よりスリムでフラットになりつつある。ロジスティクス・プロセスの再編成を通じて、ロジスティクス組織の構造はネットワーク型に移行する可能性が検証された。