抄録
難波・玉岡(2014)は『毎日新聞』のコーパスを用いて,動詞句内に生起する様態と結果の副詞的表現について,基本生起位置の特定を試みた.その結果,様態の副詞的表現(N=23)は(S)AdvOVと(S)OAdvVの2つを,結果の副詞的表現(N=17)は(S)OAdvVのみを基本生起語順と認めた.生起位置の違いは共起する動詞と副詞的表現との選択制限の緩急が関係していると思われる.そこで,本研究では,難波・玉岡(2014)で対象となった副詞的表現がどのような動詞と共起しているか,動詞の延べ頻度と異なり頻度を数え,エントロピーと冗長度を使って共起のパターンを指標化した.個々の副詞的表現について,両指標を使ってクラスタ分析を行った.その結果,3つのクラスタに分けることができた.様態の副詞的表現は,多様な動詞と共起するクラスタに分類され,限られた動詞と共起するクラスタは結果の副詞的表現が多く含まれた.個々の副詞的表現の共起パターンからみても,様態の副詞的表現は選択制限が緩く,結果の副詞的表現は厳しいことが示された.