抄録
近年,筆者の専門領域である心理学関連分野で研究協力者を募る場合に,研究協力拒否の割合が増えているように見受けられる.そこで本稿では研究協力の実態について,学術雑誌『心理学研究』2006年度刊行のものと2016年度刊行のものを分析し,研究協力者を集める手続きや協力承諾率を比較し,筆者自身の研究についても検討した.その結果,『心理学研究』では研究協力者を集めた手続きについての記載がないものが大半であり,研究協力拒否の実態は明確にはならなかった.これらの検討を踏まえたうえで,研究協力拒否がもたらす問題について考察し,出来る限り多くの偏りのないデータを集めるために研究協力者を確保する方法について提案した.