抄録
食道原発悪性黒色腫の1例を報告する。症例は49オの男性で半年前からの嚥下困難を主訴として来院した。食道透視で上部食道を中心に複数の結節性隆起性病変を認め 、最大腫瘍径は5.8cmであった。内視鏡でも黒色調で表面が比較的平滑な隆起性病変が計5個観察された。遠隔転移は認めなかった。右開胸開腹下に胸部食道切除術が行われ、術後DAV療法を2クール施行した。しかし、術後7カ月で肝転移再発をきたし、 急速な増悪によって術後 9.5 カ月で亡 くなった。自験例は進行例であったが、本疾患の悪性度の高さを認識させる症例であった。