子宮全摘術に関して腹腔鏡下手術では開腹術に比べて尿管損傷の発生率が高く,摘出子宮重量がそのリスクを上昇させる.今回,巨大子宮筋腫にたいしてロボット支援下子宮全摘術を行う際に,尿管損傷を回避するために蛍光尿管カテーテルを留置し,安全に手術が遂行できた症例を経験した.症例は50歳,腹部膨満と頻尿を主訴に受診され,多発子宮筋腫の診断であった.臍上に達する大きな腫瘤であったが,腹腔鏡下手術の強い希望があり,GnRHアンタゴニストを術前に使用し,ロボット支援下子宮全摘術を行った.尿管損傷の高リスク症例と考え,術中は左右蛍光尿管カテーテルを留置し,適宜尿管の位置を視覚的に確認した.周術期合併症はなく,術後回復は順調で予定通りの退院が可能であった.今後,腹腔鏡下もしくはロボット支援下手術の普及に伴い,高リスク症例の増加が予測され尿管等の臓器損傷への配慮が一層必要になる.本例の経験から蛍光尿管カテーテルは,術中の尿管損傷回避に有用となることが示唆された.
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