松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
当科におけるマムシ咬傷33例の検討
松岡 智章宇奈手 一司河野 菊弘吉岡 宏金山 博友井上 淳
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2000 年 4 巻 1 号 p. 31-35

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抄録
1989年1月から10年間に33例のマムシ咬傷を経験した.その73%は50歳以上で,7月~9月に多くみられた.受傷時間は殆どが早朝から日没の間であった.受傷場所は田畑が多く,そのため受傷部位は手指,足趾が殆どであった.受傷後,来院迄の時間は1時間以内が最も多く,殆どの例は6時間以内に来院していた.初期治療は全例入院の上,29例に切開排毒,31例にセファランチン投与が行われていた.マムシ抗毒素血清(抗血清)の投与は22例に施行されていた.抗血清の皮内テストは23例に施行され8例が陽性で,強陽性の1例を除いて,あとは減感作しながら投与されていた.抗血清の副作用に関しては,アナフィラキシーショックとその後の軽い血清病をきたした1例と,既に急性循環不全の重症状態で判別不能の1例以外に症状発現はなかった
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© 2000 松江市立病院
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