廃棄物資源循環学会誌
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特集:マテリアルフロー・アカウンティング
鉄鋼業における廃プラスチック,木質バイオマスのリサイクル
加藤 健次高橋 正光
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2009 年 20 巻 5 号 p. 245-253

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抄録
わが国は原料をすべて輸入に依存して,年間1,420万tonのプラスチックを製造し,1,000万tonの廃プラスチックを排出している。また,これ以外に150万tonのプラスチックくずを海外に輸出している。現在,廃プラスチックは73%が有効利用されているが,さらに有効利用を進めるべきである。一方,木質バイオマスは国内に豊富な資源があるにもかかわらず,その供給の77%を輸入材に頼り,残廃材の半分が廃棄されている。鉄鋼業にはこれらの資源を大量に有効利用するインフラや技術がある。その1つである新日本製鐵(株)のコークス炉化学原料化法による廃プラスチックのリサイクルは実用化から10年目を迎え,累積で約120万tonの廃プラスチックを処理した。バイオマスの有効利用には,集荷システムの確立やコストに大きな課題があり実用化に至っていないが,廃プラスチックと同様に鉄鋼業で化石燃料の替りに大量に使用され,循環型社会の構築や地球温暖化防止に貢献できると期待される。
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© 2009 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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