近年,気候変動に伴う災害の激甚化により,全国各地で甚大な災害が発生し,それぞれの被災地では災害廃棄物対策が進められてきた。災害廃棄物の迅速かつ適切な処理がその後の復興に向けた重要なポイントであり,このため平時から災害廃棄物対策に対する準備を行なっておくことの重要性が認識されている。
世界においては,気候変動の影響等により近年,洪水等の自然災害の発生が増加・激甚化している。特にアジア・太平洋地域においてその傾向は顕著であり,都市化の進展もあって災害廃棄物の発生量も増大している。当該地域では災害廃棄物対策に対する十分な備えができていない地域もあり,災害に伴い発生した廃棄物の適切な処理が,迅速な復興への大きな課題となっている。
本稿では,環境省がこれまで行なってきた当該国への災害支援や,災害廃棄物管理を促すために行なってきたガイドラインや技術資料の作成,各国の実情を調査した上で政策立案等の支援内容を概説する。
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