廃棄物資源循環学会誌
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最新号
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巻頭言
特集:廃棄物資源循環分野における国際協力の近年の動向 (その2) 後発開発途上国支援
  • 吉田 充夫
    2020 年 31 巻 2 号 p. 89-99
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル フリー
    これまで日本が過去 30 余年の間実施してきた廃棄物資源循環分野の主要政府開発援助 (ODA) 事業 87 案件をレビューした。その結果,都市の廃棄物処理の改善を課題とする初期の協力から,3R を導入した循環型の総合的廃棄物管理の確立のための協力まで,全体として発展してきていることが認められた。今後は SDGs への取り組みと協調して,ゴール 11 「住み続けられるまちづくり」 およびゴール 12 「つくる責任つかう責任」の 7 ターゲットの達成に向けた重点的協力が必要である。これらは従来の支援協力が発展させてきた内容の延長上にあり,ゴール 11 に向けた取り組みは先取り的に実施してきたといえるが,ゴール 12 に向けた取り組みについては未だ初歩的な段階にある。 2 ゴール 7 ターゲットを横断的に捉え統合的に対処していく必要がある。本課題を達成するためには,過去の協力経験を踏まえた公的セクターへの能力向上支援に加え,資源循環や循環経済形成においての民間セクターとの新たな連携と協調が不可欠である。
  • ――アフリカのきれいな街プラットフォーム (ACCP) が目指すもの――
    下平 千恵, 近藤 整
    2020 年 31 巻 2 号 p. 100-107
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル フリー
    「アフリカのきれいな街プラットフォーム (ACCP : African Clean Cities Platform)」は,アフリカの都市の廃棄物管理の知見の共有とネットワーキングを通じて廃棄物管理の底上げを図るべく 2017 年に設立された。加盟国・都市およびその趣旨に賛同する多様なステークホルダーとともに,相互の学び合いと横のつながりの強化,これをサポートする実践的なツールの開発や現場の取り組みの共有機会の提供を通じ,従来の開発協力の枠組みを超えた共創を生みだすことを意図した取り組みを展開している。本稿では,ACCP の特徴であるプラットフォーム型の支援の枠組みとその特徴や独自性,これまでの活動と成果を概括したうえで,今後の展望を述べる。
  • ――特にACCPとの連携協力について――
    森山 晴美
    2020 年 31 巻 2 号 p. 108-117
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル フリー
    横浜市は 1950 年代以降の高度経済成長期に人口急増とそれに伴うごみの激増を経験した。社会問題となったごみ問題を解決するため,定時収集,全量焼却を実施していたが,長い間続いた大量消費・大量焼却からの脱却を目指し横浜 G30 プランを策定し,市民の協力の下,分別とリサイクルを徹底してごみ量の大幅削減に成功した。
     現在,アフリカ諸国の多くが,かつての横浜市と同様の都市化の進展とごみの激増に苦しんでいる。そこで,横浜市は,かつての経験で得たノウハウをアフリカ諸国へ伝える支援を行っている。その基盤となっているのが環境省や JICA 等と設立した「アフリカのきれいな街プラットフォーム」(ACCP) である。ACCP での活動をはじめとする国際協力は,行政サービスとして直接的に市民に還元できる事業ではないが,活動を通じて行政自身の視野も広がり,ここで得られた学びを,国内外社会の情勢にあった政策展開に活かせると考える。
  • 石井 明男
    2020 年 31 巻 2 号 p. 118-124
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル フリー
    本稿では (独) 国際協力機構 (JICA) が 2010 年から 2017 年までのスーダン国ハルツ―ムで廃棄物分野にて行った支援について記述した。この期間に,連邦環境局内に廃棄物行政を専門に取り扱う「廃棄物ユニット」が,ハルツーム州政府の中に廃棄物事業を実施する「清掃企業局 (KCC)」が設立され,収集現場でのごみ収集は州に新たに設けられた 108 区 (小規模行政区) 各々で実施することになった。埋立地は埋立地管理組織を作り,管理事務所を建設し活動した。
     その他の活動では,住民啓発に力を入れ,市民向けのバスツアー,公開セミナー,メディア会議,大学での特別講義等を実施した。
     また,マスタープランを作成した。内容は,①清掃事業実施組織の整備,②ごみ減量・リサイクルの推進,③コンテナ収集から定時定点収集への移行,④各郡に中継所建設,⑤埋立地の整備,⑥安全衛生作業の推進,⑦中間処理 (焼却炉) 導入の準備,⑧財務改善について記述している。
  • 森 郁夫
    2020 年 31 巻 2 号 p. 125-131
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル フリー
    今,多くのアフリカの国々は高い経済成長と急激な都市化の中にあり,廃棄物問題が深刻になりつつある。わが国は,TICAD の枠組みの下,アフリカ諸国に継続的に経済支援を行っており,廃棄物も支援分野の一つとなっている。支援の一環として,「アフリカのきれいな街プラットフォーム (ACCP)」 が日本の環境省等により設立された。ACCP は,アフリカ諸国が互いに情報を交換して廃棄物管理を改善することを支援するとともに,改善ニーズとドナー支援のマッチングを促進することを目的としているが,多くのアフリカの国々では廃棄物管理情報が欠如しており,情報の収集と整理が必要であったことから,JICAは廃棄物管理実態調査を実施した。これにより,浮かび上がってきたアフリカ諸都市の廃棄物問題の傾向や特色が,「アフリカ廃棄物管理データブック」 として取りまとめられた。
  • ――Lack of 6Ms の下での埋立地改善技術――
    松藤 康司
    2020 年 31 巻 2 号 p. 132-140
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル フリー
    昨今,地球温暖化の下で,多くの国々において大規模な災害が発生し大きな社会問題となっている。特に,近年急激な都市化と人口増加の著しいアフリカ地域において廃棄物問題が深刻化し,廃棄物の埋立地への技術対応が求められている。
     しかし,高度成長期の下では,廃棄物対策への政策の優位性は低く,依然として Lack of 6Ms (金・物・人・維持・管理・やる気の不足) の状況で,多くの埋立地はオープンダンピングが一般的で,このような埋立地は,異常気象の豪雨によって環境汚染や崩落事故が多発し,社会問題となっている。
     こうした中で,筆者らは UN-HABITAT 福岡事務所から,「福岡方式による埋立地の技術支援」の要請を受け,現在アフリカ地域で複数の埋立地の改善事業を行っている。本稿では,ケニアにおける「福岡方式による埋立処分施設建設事業」とエチオピアにおける「崩落事故現場における廃棄物埋立地緊急改善事業」の技術移転事例を紹介する。
  • 東條 安匡
    2020 年 31 巻 2 号 p. 141-151
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル フリー
    パレスチナはイスラエルとの長い間紛争状態にあり,これまで廃棄物管理行政とその適正な履行にさまざまな問題を抱えてきた。しかし,2000 年代後半から,廃棄物収集が普及し,3 つの埋立地も稼働するようになった。埋立地は世界銀行や日本が建設し,構造や運営はそれぞれ国際的な基準に従うものである。ただし,実際にはさまざまな課題が生じており,埋立地の適正管理を実現するマニュアルが求められていた。本稿では,JICA プロジェクトにおいて筆者が作成した埋立地環境監査マニュアルについて記述した。廃棄物埋立地に関する基準や指針が存在しない状況で,初めに監査を実施する上での基準を作る必要があった。ただし,乾燥地であるパレスチナでは,各国の基準を安直に引用することは難しく,さまざまな工夫が必要であった。特に,浸出水管理,環境モニタリング,安定化,覆土実施,悪臭等については,こうした地域の特性に応じた指標づくりが必要である。
令和元年度廃棄物資源循環学会セミナー報告
廃棄物資源循環学会研究部会・支部交流セミナー報告
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