廃棄物資源循環学会誌
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特集 ごみ処理事業における民間活用の現状と課題
PFI (BTO) によるごみ処理施設建設・運営事業の特徴と今後の課題
――御殿場市・小山町広域行政組合のケーススタディー――
藤吉 秀昭
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キーワード: ごみ処理, PFI, BTO, VFM, SPC
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2012 年 23 巻 2 号 p. 146-153

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抄録

市町村のごみ処理施設の建設および運営の事業は民間活力を生かしたPPP手法が増えている,とりわけ資金調達を民間に頼る必要のないDBO方式が多くなっている。そのようななかで御殿場市・小山町広域行政組合はPFI/BTO方式を選択した。またその事業範囲に焼却した後の残渣 (焼却灰と飛灰) の資源化まで含め,しかもその資源化を外部の民間施設でおこなうことも可能としたことが大きな特徴となっている。事業範囲として外部の資源化企業および最終処分業者を利用し適切にそれらの事業者を管理監督する機能を民間事業者に委託することで,市町村のごみ処理事業は資源化の促進,最終処分場問題からの解放,行政経費の節約等が期待できる。実際のVFM (Value For Money) は計画時より大きく 35 % 削減できた。しかしながら,20年に及ぶ長きにわたってこのような外部民間委託のごみ処理資源化事業に落とし穴はないのか? 多くのリスクが考えられるためその対応については十分な対策を打っていく必要がある。提案された計画どおりに無事安全に安定して清掃事業が遂行されるには,今後の事業モニタリングと官民の適切なパートナーシップの形成に負うところが大きい。

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© 2012 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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