抄録
輸送エネルギーの大幅な削減のため,自動車・航空機への利用拡大が期待されている炭素繊維強化プラスチック (CFRP) は,再生が難しく埋立処分されているのが現状である。本研究開発では,CFRP 中の樹脂成分を炭素繊維回収のエネルギー源として徹底活用し,長繊維のまま省エネルギー性に優れた炭素繊維を回収する熱分解プロセスを開発し,1 ton/日処理の見通しを得た。炭化炉の省エネ研究では,CFRP 中樹脂の熱分解ガス・タール生成挙動および炭素収支から生成熱量から炭化炉に必要なエネルギーは賄えることを確認するとともに,実証小型炭化炉により過熱水蒸気投入等における灯油消費量が当初の約 63 % という省エネ削減を確認した。焼成炉では炭化炉廃熱利用やキルン排ガス熱循環等の改造を行い 65 % の省エネ削減を実現した。また,再生炭素繊維の評価ではリサイクル炭素繊維の新たな強度試験法を開発し,バージン炭素繊維に比して 80 % 以上強度となることを確認した。