廃棄物資源循環学会誌
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特集:エシカル消費 (倫理的消費)
2 つの「市場」が動かすエシカル消費
河口 真理子
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2017 年 28 巻 4 号 p. 275-285

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抄録
社会の持続可能性を高めるためには,企業のサプライチェーンを通じた環境社会配慮が不可欠だが,そのためには消費者と投資家からの働きかかけが必要である。エシカル消費が拡大すれば企業はエシカル商品開発に努力するし,ESG 投資の一環でサステナブルなサプライチェーンを投資家が評価するようになれば,企業は経営戦略の一環として取り組む。エシカル消費,ESG 投資いずれも日本での普及度は低いものの,最近いずれも注目度が上がっている。エシカル消費という言葉は知らなくても,環境や社会に配慮した買い物に賛同する消費者は 6 割以上にのぼる。ESG 投資は日本版スチュワードシップ・コード (SSC) とコーポレート・ガバナンスコード (CGC) 導入により,2014 年から 2016 年にかけて 7 倍以上に急拡大。しかし世界シェアでは 2%にすぎない。ESG 投資は倫理感ではなく運用パフォーマンス向上につながるとされ年金基金等,長期投資家の関心が高いことから今後も拡大が期待される。
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© 2017 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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