抄録
近江商人の商人道徳「三方よし」の思想は,CSR の本質的な精神である。そして,「三方よし」の思想はすべてのエシカルな精神にも通ずる。
滋賀銀行は,CSR を「社会の持続可能な発展のために,社会の一員である当行が果たすべき責任」と位置づけ,「環境」「福祉」「文化」を 3 本柱とした CSR 活動をいち早く展開してきた。特に,琵琶湖畔に本拠を置く企業の社会的使命として,経営に環境を取り込んだ「環境経営」を銀行経営の要諦と位置づけ,経済の血液である「金融」の役割を通じて持続可能な社会づくりに貢献する「環境金融」の実践を通じ,「環境」と「経済」の両立に取り組んできた。