抄録
2018 (平成 30) 年 7 月に,広島県は記録的豪雨に見舞われ,県内の広範囲にわたって土砂災害や河川氾濫が発生した。これにより 1 万 5 千棟を超す住家被害と,推計 129 万 ton もの災害廃棄物が発生した。県は,速やかな復興に向けて「広島県災害廃棄物処理実行計画」を策定し,2019 (令和元) 年 12 月までの完了を目標として定めており,現在は,市町や民間の廃棄物処理施設を活用することにより,災害廃棄物の処理を進めているところである。
災害廃棄物処理の課題として,仮置場の確保・運営等において,平時の準備が適切に行われておらず,また初期対応の手続きが十分に整理されていなかった点があげられる。県はこれらの課題を踏まえ,「災害廃棄物処理に係る市町等初動マニュアル」を策定し,初動期における市町の役割等を明確にするとともに,市町職員等を対象とした図上演習等を実施している。