抄録
2012 年にロンドンで開催されたオリンピック・パラリンピック競技大会 (ロンドン 2012 大会) は,五輪史上初めて持続可能性を重視して開催された。ここでは「持続可能性」と「ごみゼロ」に向けた取り組み,そして当時のロンドン市の廃棄物政策との関連を追うとともに,レガシーとして取り組まれている「食品ロス削減」に向けた動きを紹介する。
また,SDGs の実現に貢献すると宣言した東京 2020 大会の持続可能な運営に向けて,外部専門家として「街づくり・持続可能性委員会」に参加したことから,「持続可能性ディスカッショングループ (DG)」および「資源管理ワーキンググループ (WG)」の議論で重視した点と,レガシーとしての「都市型地域循環共生圏」創造の道筋を,主に「食品ロス削減」を具体例に展望する。
新型コロナウイルス感染症への対応で 2021 年夏に延期された今,まず世界的な蔓延をともに抑え,その上で与えられた時間を活かして準備の質を高めてゆきたい。