廃棄物資源循環学会誌
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特集:COVID-19 で変わったこと,変わらなかったこと,そしてこれからのこと
医療系廃棄物受入現場における COVID-19 の影響
早川 健一
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2020 年 31 巻 6 号 p. 420-426

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抄録
神戸環境クリエート(株) は定格 80 ton/日の焼却施設を有し,主に医療系廃棄物や廃プラスチックを焼却している。感染性廃棄物は,プラスチック製容器等で密閉した状態で搬入・保管し,容器密閉状態のまま焼却している。廃棄物処理業は医療インフラの一つであり,COVID-19 による緊急事態宣言中も,当社では出勤者も業務量もほとんど減らさなかった。しかし出張・面会禁止措置で新規案件等の打ち合わせは多くが中断となった。感染性廃棄物の搬入量は,緊急事態宣言中も例年同様でほとんど減らなかった。感染性廃棄物以外の産業廃棄物についても同様で,COVID-19 による影響は感じられなかった。感染性廃棄物は,適正に梱包されていれば,廃棄物処理の際の感染リスクは十分低い。しかし現実には,この梱包が適正ではない (血液の漏洩,注射針の飛び出し,詰め込み過剰) 事例がある。排出した廃棄物の搬出先・処理先にも『人間が居る』ことを忘れないでいただきたい。
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© 2020 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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