廃棄物資源循環学会誌
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特集:わが国におけるサーキュラーエコノミーの社会実装
サーキュラーエコノミー実現へ向けたJX金属の取り組み
立本 海安田 豊
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2025 年 36 巻 4 号 p. 302-310

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抄録

銅に代表される非鉄金属の需要は,データ社会の発展や再生可能エネルギー,電気自動車の普及によって増加が予測されているが,天然資源からの供給量には限界があり,将来的な安定供給に対する懸念が生じている。そのため,使用済み製品からの金属リサイクルの重要性が高まっており,リサイクルと天然資源からの供給を組み合わせて増加する需要に対応することが必要である。

 JX金属(株)は,非鉄金属業界におけるサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に向けて,資源循環と脱炭素を両立させ付加価値を創造する取り組みを推進している。銅事業においては「サステナブルカッパー・ビジョン」を策定し,持続可能な銅の供給とその発展を目指した施策を示し,2040年までにリサイクル原料の比率を50 %に引きあげる「グリーンハイブリッド製錬」を進めるとともに,100 %リサイクル電気銅の新供給スキームの導入等を通じて,ステークホルダーとの資源循環の共創を図っている。

 さらに,耐久性・高機能を備えた先端素材の開発,大学・企業との連携による技術革新,使用済みリチウムイオン電池のクローズドループ・リサイクル技術の開発および商業化への取り組みを通じて,持続可能な社会の構築に貢献していく。

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© 2025 一般社団法人 廃棄物資源循環学会

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