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重水素標識化合物の医薬・産業における用途と効率的合成法の開発
佐治木 弘尚山田 強井川 貴詞
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2022 年 32 巻 1 号 p. 41-46

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抄録
重水素標識化合物は、分子内のC-HをC-Dに安定同位体変換しただけの、最も小さな官能基変換を受けた化合物である。しかしHとDを比較すると、質量数には約2倍の差があり、他の各種の安定同位体と比較すると、その同位体効果は必然的に大きくなる。ましてや多重に重水素標識された化合物では、その差異はより大きく発現することとなる。特に質量の変化や結合安定化効果を利用して、非標識化合物を高機能化する研究は盛んに実施されており、その1つが重水素標識医薬品(ヘビードラッグ)の開発である。本稿では、重水素標識による高機能化の事例紹介とともに、重水素標識法のこれまでの到達状況に関する概要を紹介する。
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