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最新号
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巻頭言
創薬最前線
  • 久保庭 均
    2024 年 34 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 2024/02/01
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル 認証あり
    本研究会は、「日本の創薬モダリティ研究、産業の振興を図り、新たな治療法を連続的に生み出すことで、イノベーションを通じて世界に貢献する」ことをミッションとして、2019年11月に発足した。本研究会の活動の3つの柱は次のとおりである。(1)専門家による4つのsubject matter expert Working Group(smeWG)活動(次世代抗体医薬、核酸医薬、遺伝子細胞治療、新治療技術)、(2)広報、講演、啓発活動、(3)提言・実践活動。本稿では本研究会の活動内容について解説する。
WINDOW
ESSAY 特集:創薬を支える計測・検出技術の最前線
  • 浦野 泰照
    2024 年 34 巻 1 号 p. 17-19
    発行日: 2024/02/01
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル 認証あり
    創薬には、まず疾患要因を細胞、動物個体、患者さんを対象にライブ状態で理解して、次に、その有効な治療ターゲットを発見し、それにいかに摂動を加えて治療を行うかを考えることが重要である。また、現状でアンメットメディカルニーズが高い疾患は、個別化・精密医療をいかに実現するかが重要な課題であり、さらに国民皆保険制度を取るわが国においては、医療経済的な持続可能性も考えに入れた創薬を行う必要がある。以上の観点から、低分子機能性分子や薬剤の開発を軸とする創薬研究には大きな期待が集まっており、疾患のライブ計測・検出はその中心的課題となる技術である。本特集では、さまざまな原理・戦略に基づく技術開発において顕著な成果を上げている4グループに、最新の成果の紹介を中心に解説をお願いした。
  • 藤岡 礼任, 神谷 真子
    2024 年 34 巻 1 号 p. 20-24
    発行日: 2024/02/01
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル 認証あり
    分子振動を検出するラマン顕微法は、蛍光法よりも高い多重検出能を有しているとして、近年、注目を浴びている。筆者らはこれまでに、標的酵素の活性を特異的に検出可能なactivatable型ラマンプローブを開発し、多色化したプローブを用いて生きた細胞で複数の酵素活性を同時検出することに成功してきた。一方で、開発したラマンプローブは細胞内滞留性が低く、酵素反応後に細胞から漏れ出してしまうことで、生体組織ではその酵素活性領域を特異的に検出できないという課題が明らかとなった。そこで、プローブの細胞内滞留性を改善するべく研究を行ったところ、酵素反応後の凝集体形成によって細胞内滞留性が向上する新規activatable型ラマンプローブを開発することに成功した。開発したプローブはショウジョウバエ組織において、標的酵素活性領域を特異的に検出可能であった。
  • 谷田部 浩行, 山東 信介
    2024 年 34 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 2024/02/01
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル 認証あり
    超偏極技術は、核磁気共鳴イメージング(NMR/MRI)分子プローブの感度を劇的に向上させることで、従来のNMR/MRIでは一般的に困難な生体内検出を可能にする。超偏極技術の一つである動的核偏極法(DNP)は、高感度化した分子プローブの代謝解析を通じて、代謝反応のリアルタイム追跡や病態診断に応用されている。例えば、代表的なDNP-NMR分子プローブである[1-13C]ピルビン酸は、[1-13C]乳酸への代謝率を指標に、さまざまながんの病態診断に利用されている。しかし、実用的なDNP-NMR分子プローブは極めて少なく、その設計指針も確立されていない。筆者らは、緻密な分子設計によって、多数のDNP-NMR分子プローブを開発してきた。本稿では、緩和理論と分子認識機構の解析に基づき、長い超偏極寿命と速い酵素反応を実現したDNP-NMR分子プローブの例を紹介する。
  • 山田 健一
    2024 年 34 巻 1 号 p. 30-35
    発行日: 2024/02/01
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル 認証あり
    最近、脂質由来ラジカルや酸化脂質が、細胞死(特にフェロトーシス研究)や炎症反応に密接に関与していることが報告され、注目されている。そのため、酸化脂質、特に脂質過酸化反応に重要な脂質由来ラジカルを標的とした阻害剤が、ラジカル捕捉型抗酸化剤(RTA)として、盛んに研究が進められている。そこで本稿では、脂質ラジカルおよび酸化脂質に対する検出・構造解析技術について記載し、RTAに対する新たな化合物スクリーニング系について、さらに最近の知見について概説する。
  • 橋本 佳樹, 川内 敬子, 三好 大輔
    2024 年 34 巻 1 号 p. 36-42
    発行日: 2024/02/01
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル 認証あり
    熱やpHによってタンパク質は容易に変性する。この例にあるように、生体分子は周辺の分子環境に鋭敏に応答して立体構造や機能を変化させる。そのため、生体分子の細胞内での物性を理解するためには、細胞内の分子環境を考慮する必要がある。生化学的実験が行われる試験管内の希薄溶液環境と、多種多様な生体分子が高濃度に存在する細胞内では、分子環境がまったく異なる。細胞内の生体分子の物性に関して、試験管内で得られた知見からは、ほとんど明らかにされていないのが現状である。そこで近年、細胞内が分子夾雑環境にあることを前提とした、生体分子の物性解析が注目されている。本稿では、細胞内環境を模倣した分子夾雑環境で熱力学的に安定化する核酸の非標準構造について説明する。さらに、核酸の非標準構造を標的にした低分子化合物の開発例について紹介する。
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