オレキシン受容体拮抗薬は、覚醒を促すオレキシンの作用を阻害することで睡眠を誘導する。筆者らは、夜間に優れた効果を示し、翌朝の効果の持ち越しが軽減された薬剤を目指し、「短半減期のオレキシン受容体拮抗薬」の創薬研究に挑戦した。まず、既存のオレキシン受容体拮抗薬のligand-based drug designを用いてファーマコフォアモデルを構築し、脂溶性の低いリード化合物
6を設計した。さらに、拮抗活性と薬物動態を重視した最適化により新規1,3-oxazinan誘導体
23/ボルノレキサントを見出した。ボルノレキサントは、健康成人における薬物動態試験において、期待どおり速やかに吸収され短半減期で消失した。また、臨床試験において、ボルノレキサント5および10mgはプラセボに対し有意な入眠および睡眠維持効果を示し、翌朝への持ち越しの影響は認められなかった。これにより、目指したプロファイルの薬剤創出に成功した。
抄録全体を表示