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最新号
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巻頭言
創薬最前線
  • 塩田 武司
    2018 年 28 巻 4 号 p. 154-159
    発行日: 2018/11/01
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー

    我々塩野義製薬は「創薬型製薬企業として社会とともに成長する」をビジョンに中期経営計画Shionogi Growth Strategy 2020(SGS2020)を宣言し、世界の患者さんに最も必要とされる新薬の創製に取り組んでいる。継続的な新薬創製にはそれを可能とするプラットフォームと呼べる研究アセットが必要であり、そのような強みを構築できるか否かが競争力の源泉となる。我々は低分子創薬エンジンと呼べる研究基盤を整備するとともに、感染症領域においては世界トップクラスの創薬プラットフォームを構築し、数々のβラクタム抗菌薬やテビケイ、ゾフルーザに代表される抗ウイルス薬の創製に成功した。一方で低分子創薬のさらなる生産性向上は喫緊の課題であり、我々は低分子創薬の改善改良を進めるとともに、その強みを活かせる中分子創薬プラットフォーム構築等、新たな強み構築に取り組んでいる。

ESSAY
特集:AIと創薬
  • 奥野 恭史
    2018 年 28 巻 4 号 p. 160-162
    発行日: 2018/11/01
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー

    ここ最近、メディア等で人工知能の話題を見ない日はないくらいAIが我々の生活に浸透し始めている。AIは第4次産業革命のテクノロジーとして、確実に我々の生活を変えようとしている。このような中、2016年11月、製薬・化学・食品・医療・ヘルスケア関連のライフサイエンス分野におけるAIを開発することを目指し、「ライフ インテリジェンス コンソーシアム(LINC)」を設立した。LINCでは、ターゲット探索から臨床試験に至る医薬品開発の全プロセスに加え、実臨床・予防・先制医療をも包含する広範囲をカバーする30種類以上のAIの開発を進めている。本特集では医薬品開発プロセスの中でもメディシナルケミストとの関連の深い領域である「創薬標的分子探索、タンパク質構造予測、ADMET予測、分子デザインAI、合成経路予測」にフォーカスを絞り、最新のAI技術の研究事例について紹介する。

  • 夏目 やよい, 水口 賢司
    2018 年 28 巻 4 号 p. 163-166
    発行日: 2018/11/01
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー

    生体分子の網羅的測定機器の普及や医療情報の電子化、ITの急速な進歩といったさまざまな恩恵により、収集・処理可能なデータ量は爆発的に増大している。その一方で、製薬業界では研究開発費の増加や創薬標的の枯渇などの問題に直面している。そのため、創薬研究における多様な“ビッグデータ”に対して、AIを活用することにより創薬標的探索に活路を見出そうとする試みが近年注目を集めている。AI技術のなかでも特に深層学習に対する期待は大きく、電子カルテを二次利用した疾患予測、遺伝子やタンパク質などのオミクスデータ統合による疾患関連因子の探索など、さまざまな用途で用いられている。今後も増え続けるデータを有効活用するために、さらなるAI技術開発やデータ収集の基盤整備が求められている。

  • 本間 光貴
    2018 年 28 巻 4 号 p. 167-174
    発行日: 2018/11/01
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー

    2015年10月より、日本医療研究開発機構(AMED)において、創薬支援インフォマティクス構築プロジェクトが始動しており、医薬品の研究開発でボトルネックとなる薬物の体内動態・毒性(ADMET)を統合的に予測し、化合物設計に活用するプラットフォームの構築を進めている。一方、LINCのWG5では、ADMETのAIによる予測に加え、構造発生AIや合成経路AIを開発しており、それらを統合した同時最適化を可能にする構造提案AIを目指している。本稿では、ADMET予測の最近の状況について、AI開発も含めて概観する。

  • 大田 雅照, 池口 満徳
    2018 年 28 巻 4 号 p. 175-180
    発行日: 2018/11/01
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー

    Life INtelligent Consortium(LINC)では、創薬初期段階から臨床開発、承認後までの広範な活動に対して、人工知能(Artificial Intelligence, AI)技術の応用によるプロセス革新を目指し、ライフ企業、IT企業、アカデミアの研究者が参加し、協同してさまざまな検討を行っている。LINC Working Group 4(WG4)は、創薬初期段階におけるタンパク質立体構造に基づく創薬活動に焦点をあて、AI技術の応用を試みている。WG4は、Project 11(PJ11):「タンパク質立体構造予測」、PJ12:「タンパク質─リガンド結合予測」、PJ13:「分子動力学シミュレーションとAIの連携」、PJ14:「AI力場の開発」の4つのProjectから構成されている。本稿では、まず各Projectが関わる技術分野でのAI技術動向、中でも特に注目度の高い深層学習(Deep Learning, DL)技術について、最近の応用例を示す。次いで、各PJの活動の概要を解説する。

  • 松原 誠二郎, 寺山 慧, 奥野 恭史
    2018 年 28 巻 4 号 p. 181-186
    発行日: 2018/11/01
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー

    有機分子は、炭素および水素原子を基調としてわずか数種の原子から構成されているにも関わらず、構成原子の順列・組み合わせの結果、異なる機能をもつ分子を無限に設計することができる。それらを実際に合成する際には、まず逆合成と呼ばれる思考実験を行い、でき上がったパズルをピースに戻すように分割を続けて、入手可能な原料からの合成ルートを設計する。このルートに従った合成が実際にうまくいくかどうかは、最初の思考実験の質と精度に依存する。この逆合成では、過去のすべての有機反応データの利用が鍵となるので、AIを用いる手法により、さらに高度に行えるのではないかという期待が高まり、近年大きな進展が見られている。

SEMINAR
  • 浜地 格, 中村 圭佑
    2018 年 28 巻 4 号 p. 187-192
    発行日: 2018/11/01
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー

    遺伝子工学を用いないタンパク質の選択的修飾法として、リガンド指向性化学が適用範囲を広げつつある。リガンド指向性化学は、合成小分子を利用したアプローチであり生体に内在する特定のタンパク質の機能を損なうことなく修飾することが可能である。実際、培養細胞にとどまらず組織切片や生物個体に内在するタンパク質への選択的な修飾も可能となってきた。さらにこの技術を応用すれば、生細胞上で薬剤をスクリーニングできるバイオセンサーの構築や新しい不可逆阻害剤の設計も可能となる。今後、こうしたケミカルラベル法が生命現象の理解や創薬技術の発展に大きく寄与してくことが期待される。

 
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