MEDCHEM NEWS
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巻頭言
創薬最前線
WINDOW
ESSAY
  • 廣田 毅, 松田 智宏
    2021 年 31 巻 2 号 p. 62-67
    発行日: 2021/05/01
    公開日: 2021/05/01
    ジャーナル 認証あり
    概日時計は地球上の生物に普遍的なシステムであり、生体内の1日周期のリズムを支配する。概日時計を構成する時計タンパク質の発現、翻訳後修飾、分解のサイクルにより、多様な生理機能がリズミカルな制御を受けている。現代社会において、シフトワークや社会的な時差ぼけなどによる概日リズムの乱れが深刻化しており、睡眠障害だけでなく、がんや代謝性疾患などのさまざまな疾患につながることが報告されている。概日時計に関連する疾患の分子メカニズム解明や治療に向け、時計タンパク質を標的とする低分子化合物は有用なツールとなる。本稿では、これまでに同定されたユニークな時計調節化合物と、創薬の可能性について解説する。
DISCOVERY 2020年度 日本薬学会 医薬化学部会賞 受賞
  • 野路 悟, 原 義典, 三浦 智也, 山中 浩, 塩﨑 真
    2021 年 31 巻 2 号 p. 68-74
    発行日: 2021/05/01
    公開日: 2021/05/01
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う紅斑に象徴される皮膚疾患であり、国内で45万人以上がこの病に苦しむといわれる。治療の第一段階は既存抗炎症薬による炎症鎮静化であるが、皮膚菲薄化等の副作用が報告され、このような副作用のない薬剤の登場が望まれている。Janus kinase(JAK)はサイトカイン産生シグナル上流に存在するリン酸化酵素であり、その阻害薬は自己免疫疾患の新たな治療オプションとして注目を集めていた。筆者らは新規JAK3阻害薬探索の過程で、高活性、高選択的化合物の創出を目指し、分子の三次元性の高さに着目した合成展開を実施した。こうして見出されたdelgocitinibは、臨床試験において期待した効果を示し、JAK阻害薬としては世界初となるアトピー性皮膚炎外用薬(コレクチム®軟膏)として承認されるに至った。
  • 青木 俊明, 山脇 健二, 佐藤 剛章, 西谷 康宏, 山野 佳則
    2021 年 31 巻 2 号 p. 75-80
    発行日: 2021/05/01
    公開日: 2021/05/01
    ジャーナル 認証あり
    カルバペネム耐性グラム陰性菌感染症は年々増加しており、これら耐性菌に有効な新たな薬剤が求められている。シデロフォアは細菌により産生される物質で、カテコール基等の鉄キレート部位を構造中に有し、能動的な輸送経路を介して細菌の生存や感染成立に欠かせない鉄イオンを供給する。シデロフォア抗菌薬のコンセプトは、親分子に鉄キレート部位を導入することで細菌の鉄輸送システムを利用し、シデロフォア抗菌薬を能動的に標的菌に取り込ませて死滅させることである。世界的に問題となっているカルバペネム耐性グラム陰性菌の出現を背景に、筆者らは1980年代に見出していたシデロフォアセファロスポリン“A-2”をリード化合物とした構造活性相関研究を行い、セフィデロコルを創製した。
SEMINAR
  • 小川 美香子
    2021 年 31 巻 2 号 p. 81-85
    発行日: 2021/05/01
    公開日: 2021/05/01
    ジャーナル 認証あり
    光免疫療法(Photoimmuno therapy:PIT)は、フタロシアニン誘導体であるIR700を結合した抗体を投与後、近赤外光を照射することにより行うがんの治療法である。これまでに、PITは細胞膜傷害を起点とする細胞死を引き起こし、また、細胞殺傷メカニズムとして、光化学反応により細胞膜上で薬剤が凝集体を形成することが重要であることがわかっている。また、この光化学反応の進行にはIR700のラジカルアニオン体の生成とそのプロトン化が必要であることも見出されている。本稿では、PITの特徴と治療メカニズムについて概説し、特に、今後の薬剤開発に関わる光化学に関する知見を紹介する。
  • 高山 正己
    2021 年 31 巻 2 号 p. 86-91
    発行日: 2021/05/01
    公開日: 2021/05/01
    ジャーナル 認証あり
    近年、医薬品生産でのフロー合成技術を活用した連続生産技術の進展はめざましい。技術発展の背景には、国をあげての後押しがある。米国ではNovartis-MIT Project、EUではF3 Factory、日本でもNEDO支援プログラムのiFactory構想などの国家プロジェクトが始動している。一方、創薬の現場では、本来なら、上流の創薬から下流の製造へ技術展開されると想定していたが、創薬研究の研究員の新規技術への抵抗感からあまり普及していないのが現状である。それならば、出口を連続生産に想定して、創薬研究におけるフロー合成技術の活用を見出すべきと筆者は考えている。本稿では、連続生産を見据えた創薬研究でのフロー・マイクロ合成技術活用の方向性を述べる。
Coffee Break
REPORT
  • 周東 智
    2021 年 31 巻 2 号 p. 93-96
    発行日: 2021/05/01
    公開日: 2021/05/01
    ジャーナル 認証あり
    創薬化学におけるトップジャーナルであるJ. Med. Chem.への積極的な投稿を、日本の創薬化学者にお勧めする。トップジャーナルへの投稿を目指すことは優れた研究の実施を促す。その成果に基づき質の高い論文を作成・投稿することを可能にし、さらに厳しく的確な審査に対応する過程は、多大な労力を要するものの、研究者が効果的に研鑽を積むことができる格好の機会である。質の高い論文の公表は、研究者が充実感を味わい成長できる機会であり、企業や大学が国内外へと発信する情報としても重要である。J. Med. Chem.誌上で、日本からの優れた論文が多数公表されることを通して、世界に通用する創薬研究者の育成が促進される。その結果、日本の創薬化学の発展と創薬力の向上が実現し、高質な新薬が創出されることを期待する。
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