医学教育
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報告
わが国の医学部におけるスキルスラボの整備状況及びスキルスラボにおけるシミュレーション講習会の現状調査
鈴木 利哉別府 正志奈良 信雄
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2009 年 40 巻 5 号 p. 361-365

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抄録

1) シミュレーション教育は医療手技を学ぶため医学生の卒前教育に必要不可欠である.スキルスラボの整備状況およびシミュレーション教育の進捗状況を調べるため全国80医学部に対してアンケート調査を行い,73校から回答を得た.
2) 59校にスキルスラボが設置されていた.49校で医学教育カリキュラムにシミュレーション教育が取り込まれていた.備品数は静脈採血トレーナー,BLS(basic life support)マネキン,縫合手技トレーニングの3点が最も多く,呼吸音聴診トレーナー,心音聴診トレーナー,ACLS(advanced cardiovascular life support) マネキン,眼底観察トレーナーも50校以上と多かった.
3) 医療スタッフばかりでなく地域コミュニティーを対象とした医学教育カリキュラム以外のシミュレーション講習会がスキルスラボをもつ59校のうち32校で開かれていた.その頻度は,BLS,ICLS (immediate cardiovascular life support),ACLS,AED (automated external defibrillator)講習会の順で,これらは16校以上で行われていた.

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© 2009 日本医学教育学会
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