近年, 大規模言語モデル (LLM) を基盤とする生成AIの急速な普及により, 学術研究および学術出版の在り方は大きく変化している. 特に論文執筆支援や査読支援など, 研究ワークフロー全体への生成AIの導入が進む一方で, 研究の誠実性, 機密保持, 透明性に関する新たな課題も指摘されている. 本総説では, 2024~2026年に報告された文献および学術出版社や出版倫理団体の資料をもとに, 生成AIが学術研究に及ぼす影響を整理した. 研究者によるAI利用は急速に普及しているが, 利用開示率は低く, 透明性の確保が課題である. 主要出版社および倫理団体は, 人間による最終的な説明責任を前提としたAI利用ガイドラインを提示している. 生成AIは査読の効率化や言語的支援に有用である一方, ハルシネーション, バイアス, 機密情報漏洩などのリスクも存在する. 今後は, 人間の判断を中心としたHuman-in-the-loop型の査読体制を維持しつつ, 適切なAI管理と教育を整備することが重要である.
抄録全体を表示