医学教育
Online ISSN : 2185-0453
Print ISSN : 0386-9644
ISSN-L : 0386-9644
最新号
選択された号の論文の26件中1~26を表示しています
医学教育賞
医学教育賞
短 報
  • 岡崎 研太郎, 小谷 和彦, 中村 晃久, 松本 正俊, 片岡 仁美, 小池 創一
    原稿種別: 研究論文
    2024 年 55 巻 1 号 p. 8-12
    発行日: 2024/02/25
    公開日: 2024/03/29
    ジャーナル フリー

    背景 : 2018年の医療法改正に伴い, 地域医療に従事する医師確保と医師のキャリア形成の両立を目指し, 都道府県が策定した地域枠医師のキャリア形成プログラム (以下, プログラム) を調査検討した.

    方法 : 2020年11月~翌年1月に都道府県のホームページからプログラム情報 (専門医, 地域勤務の開始時期と期間) を収集した. 開始時期と期間は内科専門研修データを分析した.

    結果 : プログラムは全都道府県で策定され, 全領域から専門領域を選択できる都道府県は3割強に見られ, 地域勤務開始は卒後3年目から, 期間は4年間が多かった.

    考察 : 全国的な動向は地域枠医師の卒後教育のあり方やプログラムの改良状況を検討する資料として役立つ.

実践報告―新たな試み―
  • ―目標に収束する教育から, 現場の偶発性をもとに創り出す教育へ―
    宮地 純一郎, 高屋敷 明由美, 早川 典宏, 小曽根 早知子, 松井 善典, 照山 絢子, 木村 周平, 前野 哲博
    原稿種別: 研究論文
    2024 年 55 巻 1 号 p. 13-19
    発行日: 2024/02/25
    公開日: 2024/03/29
    ジャーナル フリー

     卒前医学教育における臨床実習に人類学を取り入れることが, 医学生にとってどのような経験になるのかは十分に検討されていない. 大学教員, 実習先の教員, 医学生を含む著者らは協働で人類学のフィールドワークを取り入れた臨床実習を行い, 実習の過程・学習成果・事後の振り返りから各々が何を経験したのかを検討した. 検討からは, 人類学を取り入れた臨床実習が, 教育の前提とされる学生と教員の役割および相互の関係性の変化を触媒して, 現在の医学教育の主流であるアウトカム基盤型教育では見落とされがちな「現場の偶発性から創り出す教育」を促す契機となりうることが示された.

  • ―医学生と指導医の立場から―
    波多野 憲, 遠藤 和洋, 森嶋 計, 佐久間 康成, アラン・K・ レフォー, 伊澤 祥光, 斎藤 心, 鯉沼 広治, 大西 康晴, 菱川 ...
    原稿種別: 研究論文
    2024 年 55 巻 1 号 p. 20-26
    発行日: 2024/02/25
    公開日: 2024/03/29
    ジャーナル フリー

     我々は外科卒前教育として, 希望する医学生が計画立案から実施まで主体的に実践する, live animalトレーニングを実施している.

     医学生には, 外科医療への興味を深め, 段階的に高度な外科手技を学べる貴重な機会である. 同時に, 医療に必要なノンテクニカルスキルについても学ぶ. 指導者は, 医学生の能動的な学びをサポートしている.

     医学生同士で学び合い, 討議するピアラーニングによって, 広範囲の知識と技術を学ぶことができる. また, 様々な医療職の立場から実習に参加することで, チーム医療の重要性を学ぶことが期待される. 「医師のように感じ, 考え, 行動する」ことは, プロフェッショナル・アイデンティティ形成に役立つ.

  • 濵田 千枝美, 今福 輪太郎, 川上 ちひろ, 蒲地 正幸, 西城 卓也
    原稿種別: 研究論文
    2024 年 55 巻 1 号 p. 27-33
    発行日: 2024/02/25
    公開日: 2024/03/29
    ジャーナル フリー

     医学部診療参加型実習では, 学生を診療チームに参加させ, 能力に応じ徐々に診療タスクを分担させる教育アプローチが求められる. しかし, 指導医が医療安全に配慮し, 徐々にタスクを委譲することは容易ではない. 本稿では, 学習者の認知的負荷に配慮し, タスク遂行能力を段階的に学修させるFour Component Instructional Design (4C/ID) モデルに基づき, 救急科実習プログラムを設計したので概説する. 指導者の視点からは, 学生は, 本プログラムを通じて, 学修動機, 主体性, 自信を高めている可能性が観察された. 4C/IDモデルは, 臨床実習プログラムの設計のために有効な手段として期待される.

部会報告 : プロフェッショナリズム部会
  • プロフェッショナリズム部会, 宮田 靖志, 野村 英樹, 朝比奈 真由美, 井上 千鹿子, 高宮 有介, 横尾 英孝, 小比賀 美香子, 尾 ...
    原稿種別: 研究論文
    2024 年 55 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 2024/02/25
    公開日: 2024/03/29
    ジャーナル フリー

     日本医学教育学会プロフェショナリズム部会は過去約20年にわたり医療プロフェショナリズム教育に関する多岐にわたる論点を検討し, 2015年7月には「医師の資質・能力としてのプロフェショナリズム」の原案を策定し, 発表した. これを元にプロフェショナリズム教育の啓発活動を行ってきたが, この原案を文書化していなかった. 今回, 原案の字句の軽微な修正および注釈の追加を行い, ここに再提示する. 医師のプロフェッショナリズムでは, 以下の7つの資質・能力を設定する.

     1. 社会に対する使命感と責任感

     2. 患者中心の医療の実践

     3, 誠実さと公正性の発揮

     4. 多様な価値観の受容と基本的価値観の共有

     5. 組織やチームのリーダー/メンバーとしての役割遂行

     6. 卓越性の追求と生涯学習

     7. 自己管理とキャリア形成

     この文書が今後のプロフェッショナリズム教育の議論に資することを期待する.

掲示板 (意見)
機関会員のページ
feedback
Top