2015 年 46 巻 6 号 p. 475-481
臨床研修指導医講習会は全国で広く行われているが,未だ十分に評価されていない.
本研究の目的は,当大学の指導医養成セミナーの効果を明らかにすることである.琉球大学の医師172名を対象に,2006年10月から2007年3月に調査票および小テストを実施した.セミナー受講者は42名,未受講者は130名であった.受講者群は,未受講者群に比較し,カリキュラム作成,フィードバック,臨床教育技法に関する知識,熱意ある態度を有意に有していた.1泊2日の本セミナーは臨床教育に関する知識,態度に一定の効果があることが示唆された.一方,現場での行動変容や指導医間ネットワーク形成には限定的な効果に留まる可能性がある.