医学教育研究は, 採用する理論的枠組みや理論的考察を記述することが国際的に求められてきている. 本稿では, その理論の選定や研究手法の決定の前段階にある「真実の在りか (存在論) 」「現実のとらえ方 (認識論) 」「現実へのアプローチの仕方 (方法論) 」といった哲学的前提の検討や研究パラダイムの明確化に焦点を絞り, そこからどのように体系的に研究をデザインしていけばいいのかを概説する. 「哲学的前提-研究パラダイム・理論-方法論-研究手法」の流れを意識することで, 研究計画に一貫性を持たせ, 分析結果から実践的な示唆だけでなく理論的な貢献ができるようになると考える.