医学教育
Online ISSN : 2185-0453
Print ISSN : 0386-9644
ISSN-L : 0386-9644
頻度が高い循環器領域の主訴をもった患者に対する研修医による予診研修
伊賀 幹二八田 和大西村 理今中 孝信楠川 禮造
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 29 巻 1 号 p. 21-25

詳細
抄録

卒後2年目の初期臨床研修医11名を対象として, 各人2か月連続して週2回, 循環器内科外来で指導医が診察する前に病歴と身体所見をとる機会を設け, 研修医が問題解決型の外来研修をするための条件を検討した.対象となった主訴として, 胸痛, 動悸, 呼吸困難, 失神発作, 心電図異常の精査目的, 高血圧の精査目的を選択した.研修医は指導医と, 病歴・身体所見から考えられる疾患, それに対する血液検査・心電図・胸部X線の有用性と限界を論じた. 研修医11名に対し, 新患総数は217例であった. 研修医はこの実習で, 循環器疾患における病歴聴取および患者の全体像をみることの重要性や, 入院適応には医学面以外の因子による制約があることを理解したと回答した. 研修資源として多くの症例を経験することは必要であるが, それに加えてきちんと指導医に監督されることにより始めて実りある外来研修になると考えられた.

著者関連情報
© 日本医学教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top