医学教育
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新しい心臓病患者シミュレータ “Ichiro”とその診断手技向上における教育効果
高階 経和
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1998 年 29 巻 4 号 p. 227-231

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抄録

今回, 最近のデジタルおよびコンピュータ技術を応用し, 直接心臓病患者より心機図記録装置により得られた身体所見 (頸静脈波, 頸動脈波, 橈骨動脈, 大腿動脈波および心尖拍動, また心音・心雑音) を記録し, これを等身大のマネキンに忠実に再現できる「新しい心臓病患者シミュレータ」(英文名: simulator“K”) を開発した.本シミュレータの聴診に際しては, 日常診療で使用する聴診器により心音・心雑音を聴くことができる.本シミュレータは約55kgと軽量であるため, 研修が必要な際にはいつでも移動が可能である.在宅医療の現場では, 高度診断機器を駆使することは不可能に近いと考えられる.今後は医師や医療関係者にとってはベッドサイドの診断手技の修得が不可欠となる.本シミュレータは国の内外の医学教育機関においても不可欠の教育機器となり得るものと考えられる.

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