1999 年 30 巻 6 号 p. 449-452
福井医科大学麻酔科蘇生科では1993年以来, クリニカル・クラークシップを目指して卒前臨床医学教育に取り組んでいる. 学生が行う医行為は水準I-IIを当初より含んでいたが, 1994年に6学年, 101名中29名を対象に教育効果を麻酔ガイドライン的な「実習ノート」に記入させて検討した. 評価は1) 用語使用, 2) 患者病態と麻酔管理法の関連性の理解, 3) 感想の特徴, で行った. その結果, 2) の理解が不十分であった. その後の経験も取り入れ, 現在は1) 麻酔記録を学生自身にも記入させると共に術後回診にも参加させ, 2) 麻酔医による一対一の討論を設けて実習のまとめを行う, 3) 最後に簡略化した「実習ノート」を提出させている.