2003 年 34 巻 6 号 p. 375-379
平成13年度末に全国レベルでの第1回共用試験 (CBT) トライアルが実施された.一方, 岐阜大学では臨床実習を行うために必要な知識・解釈・問題解決能力を有するかどうかの判定を行うために, 平成9年度から独自に臨床実習資格総合判定試験を実施してきた.本報告では, 岐阜大学臨床実習資格総合判定試験と, CBTトライアルの成績についての相関性を検討した.結果, 両者の間で有意な相関が認められた.また, 岐阜大学臨床実習資格総合判定試験で不合格であった学生のCBT得点は, 合格者と比較して有意に低かった.岐阜大学医学部における従来の判定基準から考察した場合, 臨床実習前の学生の基礎的・臨床的知識を判定する上で, CBTは第1回トラ・イアルの段階で既に本学の臨床実習資格総合判定試験の代用になりえることが示唆された.