医学教育
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医療倫理における教育モデルとしての「信仰上の理由による無輸血治療の選択」
池本 桂子石橋 一寿中川 季子西 克治
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2005 年 36 巻 1 号 p. 31-37

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抄録

インフォームド・コンセント, 患者の意向の尊重といった医療倫理の教育目的で, 滋賀医科大学法医学教室において, 4年生の授業の1コマ (90分) にエホバの証人の医療機関連絡委員会による「輸血の代替療法-簡便・安全・効果的」というビデオの上演を含む患者側面からの講義を導入した. 教員は, 導入部分, 質疑応答, 総括を扱った. アンケートでは, 大半の学生が, 「良かった」「有意義」「貴重な経験」と答え, 「患者の決定を尊重して治療することを再確認した」「どんな患者さんの意向も生かせるような技術と心を身につけたい」など, 医療者としての倫理的態度の向上に寄与したことを示す回答も多かった. 倫理教育上有効な方法であることが示唆されたため, 1例として報告した.

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