医学教育
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初期研修1年終了時の研修医の医療安全意識
青木 昭子井尻 理恵子橋本 廸生長谷川 修後藤 英司
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2006 年 37 巻 4 号 p. 229-235

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抄録

年次研修終了時に研修医の安全意識を調査した. 対象は当院で1年次を研修した30名 (A群) と1年次を他院で研修し, 2年次を当院で研修する32名 (B群).【結果】全員が平成11年の横浜市大「患者取り違え事故」を知っていたが, 裁判の判決結果を知っていたのは53%であった.「患者取り違え事故」の責任の所在は82%が病院の体制と回答し, 次いで看護師73%, 上級医62%, 研修医45%であった. インシデント報告制度は7割が知っていると答えたが, インシデント報告を書いた経験があるのは約2割であった. 経験または目撃したインシデントの種類は薬剤関係が多く, 院内全体のインシデントと同様の傾向が認められた. 上記の検討においてA群とB群では有意差を認めなかった.【結論】1年次終了時, 研修医は医療安全の重要性は認識していると思われたが, 現場の事例に対する応用力は不十分と考えられた.

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