医学教育
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少数回数のPBLテュートリアルの体験が卒業時および卒業後の臨床能力へ及ぼした効果
福井 由理子石原 園子松井 慶子佐藤 康仁菅沼 太陽鄭 珠山口 直人川上 順子吉岡 俊正
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2006 年 37 巻 5 号 p. 277-283

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抄録

少数回数のPBLテュートリアルの体験が学生の臨床能力の開発をもたらし得るかについて, 卒前, 卒後にわたって調査した. 東京女子医科大学医学部では, 1990年のPBLテュートリアルおよび統合カリキュラムの導入に先立ち, その2年前から日本の学生に適合したテュートリアルを模索して, 第1~3学年の一部の学生に対して試行的なテュートリアルを1~3回行った. 卒業生へのアンケート調査を行い, 試行テュートリアルを体験した群と同年代の体験しなかった群とを比較した. 体験した群では, 在学中に論理的思考力を培うことができた, 研修医終了の時点で問題の自力解決が行えたと自己評価する人が, 体験しなかった群より多く存在していた. テュートリアルを少数回数体験することにより, 学生が学習へのモチベーションを高め, 論理的思考力を発達させる可能性が示唆された.

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